化膿性関節炎の検査と治療

 

化膿性関節炎の検査は、血液検査とX線検査を行なうのが基本的です。血液検査では、白血球数の増加、赤血球沈降速度、C反応性蛋白などを調べ、炎症性の変化をみます。

 

関節内の病変部の範囲は、X線検査、MRIなどの画像検査で確認します。また、関節内へ針を刺して関節液やうみを採取する穿刺(せんし)を行い、採取した液やうみを培養して、原因となる菌を特定します。特定された菌に対して抗生物質の感受性を確認し、細菌に有効な抗生物質を決定します。

 

化膿性関節炎の治療で重要なことは、なるべく早めに炎症を鎮静化させる事です。化膿性関節炎の場合、関節破壊が急速に進むからです。関節内から採取した、液やうみを培養検査に提出すると同時に、化膿を抑える抗生物質が投与されます。検査結果が出るまでは、様々な菌に対応できるよう、広い範囲で効果のある抗生物質が使用されます。

 

検査結果が出たところで、最も効果が期待できる抗生物質に切り替えます。もしも、症状が進行してしまっている場合には、関節破壊をできるだけ防ぐため、緊急の関節洗浄が行なわれます。

 

症状によっては、関節内部を持続的に洗浄する為の管を留置する、閉鎖性持続灌流法が必要とされることがあります。化膿性関節炎が治まってきたら、徐々に関節を動かすリハビリを行い、できるだけ関節が硬直しないように心がけましょう。

 

完治しても、関節破壊が進行しており、日常生活に支障をきたすようであれば、人工関節置換術や関節固定術も考える必要があると思います。